【小説】メリー・クリスマス!

チャールズ・ディケンズ、『クリスマス・ブックス』小池滋・松村昌家訳(ちくま文庫

クリスマス・ブックス (ちくま文庫)

クリスマス・ブックス (ちくま文庫)

クリスマス・イヴです。BGMに、それらしく、『カフェ・アプレミディ・クリスマス』を流しながら書いています。普段はポール・マッカートニーは苦手だけど、こうして聴いていると、"Wonderful Christmas Time"はなかなかいいですね。
カフェ・アプレミディ・クリスマス

カフェ・アプレミディ・クリスマス

さて、イギリス文学でクリスマスといえば、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』でしょうか。そう、ケチなおじいさんが聖霊に導かれて過去・現在・未来を見てまわり、最後には改心するというやつですね。今年は、ロバート・ゼメキス監督のディズニーが映画化したとかで盛り上がっています(詳細はhttp://www.disney.co.jp/movies/christmas-carol/)。下には、別のディズニー版のDVDを載せておきます。

マペットのクリスマス・キャロル [DVD]

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しかし、ディケンズのクリスマス物語というは『クリスマス・キャロル』だけではありません。他にも、『鐘の音』『炉ばたのこおろぎ』『人生の戦い』『憑かれた男』があります。一番有名なのは『クリスマス・キャロル』ですが、それに負けず劣らず、他の小説も面白く読むことができます。『鐘の音』もそのひとつ。

もちろん、当時の社会が持っていた階級や貧富の差に対する強い批判が込められていることは、主人公の老人やその周りの人たちの純朴さと彼らを囲む中産階級の人たちの見せる自己欺瞞や冷酷さとから、十分に伝わってきます。ディズニー映画もいいけど、『クリスマス・キャロル』と同じく、単にクリスマスの心温まる物語としてだけではなく、社会批判の物語として読んでもいろいろと考えるべき事柄が出てくるものとなっています。ぜひ、読んでみてください。