2011-01-01から1年間の記事一覧

【雑考】2011年のこと

早いもので、2011年も残すところ数時間となりました。みなさんにとって、今年はどんな年だったでしょうか? 私にとっては、反省することの多い一年となりました。ちょっと仕事を引き受けすぎてしまって、本来、やるべきことができないままに終わってしまった…

【小説】公園生活は素敵?

前回、本を読む暇もなく…なんて書いていましたが、もちろん、まったく読んでいないわけはなく、じっくりと読む余裕がなかったというのが正確なところでしょうか。そんなふうに合間に読んでいた小説のひとつが吉田修一の『パーク・ライフ』。2002年の第127回…

【雑誌】本の特集「2012年、世の中が変わるときに読む263冊」

12月は「師走」といいますが、文字通り、怒涛の半月を過ごしました。日本ジョージ・エリオット協会の全国大会の開催、入試関係の仕事、そして卒論の指導…。ブログを書く暇というか、その存在すらすっかり忘れてしまう感じの忙しさ。ようやく、一段落が着いた…

【音楽】イギリスのミュージシャンは「階級」を歌う

急に寒くなりました。いよいよ本格的な冬の到来という感じです。このところ、本当にいろいろなことに忙しくなってしまって、ゆっくりと本を読む時間もない。久しぶりに深刻に危機感を覚えているところです。ヘッドフォンの大きめの音量でナイン・インチ・ネ…

【小説】新しいインドの英語小説

イギリスの現代の小説が、いわゆる「イギリス」というひとつの国の枠組みを超えたものになっていることについては前々回のブログでも触れたが、『喪失の響き』で2006年にブッカー賞を受賞したキラン・デサイは、そんな傾向を象徴する作家のひとりということ…

【小説】モース警部、登場!

この夏にオックスフォードに寄ったとき、下のようなポスターをしばしば見かけた。ドラマ『主任警部モース』のポスター。 今回のイギリス旅行は、小説のいわゆる「ご当地モノ」がテーマだったので、オックスフォードに関しても、ハーディの『ジュード』、ルイ…

【研究書】イギリスの新しい小説を読む。

何についてもそうだと思うが、「新しいもの」には魅力があるとともに、それをどう判断すればいいのかを迷うことが多い。そもそも、「新しいもの」を追い続けるには相当なエネルギーが必要であり、いったん目を離してしまうと、いつも間にやら、すっかりわか…

【小説】理想の女性に育て上げる?

夏雄さん、コメントをありがとうございます。Scarthin'sに行かれたことがあるとは……驚きました。でも、トップ10を選ぶというのは難しいですよね。入っていてもおかしくはない有名な本屋さんが入っていないのは確か。夏雄さんが挙げてくれているもののほかに…

【雑考】世界の本屋さんトップ10

早いもので、10月も後半に入りました。読書の秋のはずが、なかなかまともに本も読めずに過ぎてしまっているような気がします。時間はあるはず。どこかで作らねば…。などと思いつつ、ネットを検索していたら、次のような記事を見つけました。 http://www.guar…

【小説】クリスマスといえば…

日々の雑務に追われ、気づけば10月に入ってしまっていました。学期が始まると、時間が経つのが早く感じます。久しぶりの書き込みになりました。 まみつんさん、バースの情報が役に立ってよかったです。日本でもそうですが、あの古書店の雰囲気というのは本好…

【お店】バースのブック・ミュージアムは古書店の中にあります

まみつんさん、メールアドレスが届いていなかったので下記にお返事します(見つけられないだけかもしれませんが、アドレスは自動的に削除されるのかもしれません)。この連絡が間に合えばいいのですが。他の方も、バースに行くことがありましたら、一度、立…

【雑考】同時代の小説を読んでみる

夏雄さん、書き込みをありがとうございます。オックスフォードにも行きましたので、またゆっくりと。 ここ数カ月、日本人作家の小説をかなり集中的に読んでいます。恩田陸、角田光代、川上弘美、佐藤亜紀、平野啓一郎、保坂和志、吉田修一など、比較的に自分…

【報告】行ってきました、イギリス研修旅行

大学の授業のひとつに、テーマを決めてイギリスやアメリカをまわるというものがあり、今年度に「イギリス小説の舞台を巡る南イングランドの旅」というテーマで担当しました。9月5日に出発し、昨日に帰国しました。以下、メモにまとめていたものを載せること…

【子供向け物語】白人作家の描くアフリカの少年の物語

何だかあわただしい8月になってしまい、このブログも更新することなく、いつの間にか9月になってしまいました。9月5日からは予定通りに研修旅行に出かけ、帰国してすぐにオープン・キャンパスなどがあり、今年は本当に夏休みがない感じです。 Yoshiさん、ま…

【社会】イギリス人が外から見た「イギリス」

Yoshiさんも初めまして。イギリスの様子を知らせてくださってありがとうございます。暴動のような出来事は、きっとニュースになると衝撃的な場面だけがクローズアップされてしまうので、日本では少しオーバーに伝わっているのでしょう。今回も、ひとりで出か…

【実録】ロンドンの裏面史

Uzumiさん、初めまして。書き込みをありがとうございます。確かに「漫画」を取り上げるのは不思議な感じもあるかもしれませんが、結構、面白いものあるようです。これからも積極的に紹介していきますね。また感想などを寄せてください。でも、確かに、あんな…

【漫画】シェイクスピアの『テンペスト』?

今日の非常勤@戸塚でようやく前期の授業が終了した。本当は先週の試験で終わっているべきところを、私の掲示ミスで1週間ほど長くなってしまった。これから採点に追われることになるが、ようやく夏休みに入った感じになった。と言っても、今年は雑務で大学…

【自伝/小説】パリとロンドンで落ちぶれて…

藤沢にある恩師の自宅でジョージ・オーウェルの作品の読書会をしている。『動物農場』と『1984年』をのぞく主要作品を順番に読もうという趣旨で始まったが、担当者の都合で順番の入れ替わりがあったものの、今回が四つめの作品で、オーウェルのデビュー作に…

【音楽】追悼: Amy Winehouse

イギリスのR&Bシンガーのエイミー・ワインハウスが亡くなったというニュースが流れている。 http://oops-music.com/info/view_news.html?nid=68337 まだ27歳なのでびっくりしたものの、ああ、やっぱり…という感じもした。R&Bのジャンルのミュージシャンたち…

【小説】二重人格といえば…

今年の前期にフェリスの授業では3冊の小説を読んだ。『フランケンシュタイン』と『ドラキュラ』のほかに、それとは別の「Reading Fiction」という購読の授業で『ジーキル博士とハイド氏』を読んだ。こちらは、英語のテキスト(研究社小英文学叢書‼ ある世代…

【追加情報】サックヴィル=ウェスト家のお屋敷

まみつんさん、レスター大学に留学ですか。知ってますよ。現代文学の研究で有名ですよね。私の知人二人も在外研究で行かれていました。実りある留学になりますように。(←そういえば、レスター大学には、有名なヴィクトリア朝文化研究センターがありました。…

【ガイドブック】イギリスを楽しむために

まみつんさん、書き込みをありがとうございました。1年間の交換留学ですか…。楽しみですね。どこでもそうだと思いますが、やっぱり、1年間のひとわまりをしないと、その国のことはなかなかわからないですよね。寒くて長い冬のあと、突然に咲き始める黄水仙に…

【旅行記】アメリカ人の見たイギリス

ノエルかえるさん、コメントをありがとうございます。時どき、ブログを読ませていただいています(「ノエルかえる不恵留」を書いていらっしゃいますよね?)XTCの歌詞については興味ありますが、ブログを読ませてていただく限り、私などまだまだ勉強不足です…

【小説】幼いころのトラウマが…

学会のよいところは、確かにすぐれたシンポジウムや研究発表から多くのことを学ぶことができるという利点があるのですが、それと同じく、あるいはそれ以上に、多くの人たちに出会えて話ができることにあるのも事実です。特に、自分が知らない、あるいは読ん…

【小説】「こんなことに意義はあるのだろうか」

今年の日本英文学会の大会は北九州市立大学で開かれましたが、参加した人たちの間では密かに松本清張がブームになっているのではないか、なんて想像をしています。なぜなら、このブログで夏にも紹介しましたが、北九州にある松本清張記念館の話が私の周りで…

【小説】モンスターとは誰なのか?

イギリス小説を読む授業では、「イギリス小説のモンスターたち」というタイトルで、前期にはメアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』とブラム・ストーカーの『ドラキュラ』を読むことにしています。最終的には、「異人論」などを援用しながら、異質なも…

【小説】もうひとりの「ブロンテ姉妹」

日本ブロンテ協会の学会誌に書評を書いていて、久方ぶりに「ブロンテ姉妹」について考えた。大学院の頃、ちょうど指導教授がシャーロット・ブロンテについていろいろと書いていたことと重なったので、シャーロットを中心にブロンテ姉妹の小説はすべて読むこ…

【雑誌】本屋さん特集

久しぶりの書き込みになります。ちょっと忙しくて気を抜いていたら、1ヶ月も書き込みなし、になってしまいました。現在、日本英文学会の大会で北九州に来ているのですが、立ち寄った書店で本屋さん特集の雑誌を見つけました。下記のもの。BRUTUS (ブルータス…

【学会情報】日本オースティン協会第5回大会のお知らせ

日本オースティン協会の全国大会のご案内をさせていただきます。会員以外の方も含め、多くの方々のご参加を楽しみにしております。 日本オースティン協会 第5回大会プログラム ● 日 時:2011年6月25日(土) 受け付け午前11時より ● 場 所: 学習院大学百周…

【小説】「大学」で小説の書き方を学ぶとは…

まみつんさん、またまたコメントをありがとうございます。その中で、鋭いな、と思ったのが、「文章が端正という印象」という部分です。実は、私も同じようなことを感じていて、特にイシグロの小説を読むと、うまく言えないのですが、英語が不自然にきちんと…