2010-01-01から1年間の記事一覧

【音楽】親の七光?

クリスマス・イヴです。確か、このブログを書き始めたのが去年のクリスマス時期で、カフェ・アプレミディのCDを聴きながら書いていたのを何となく覚えています。1年になりますが、根気がない性格ながら良く続いたものと自分でも思います。これからの1年、ま…

【紹介本】『動物農場』を読んでみよう!

久しぶりの書き込みになりました。卒論の締め切り(もちろん私ではありません)、大学の紀要原稿の締め切り(こちらは私です)が立て続けにあったこともあり、授業の準備も含め、ここ1,2週間は怒涛のように流れ去っていった感じで、自分でもあまり記憶があ…

【映画】詩人キーツの映画

なんともビックリですが、イギリスの詩人ジョン・キーツを主人公にした映画が公開されています。あの『ピアノ・レッスン』のジェイン・カンピオン監督の『ブライト・スター』です。 キーツはイギリスのロマン派を代表する詩人のひとりで、イギリス文学史など…

【入門書】ブロンテ姉妹の入門書

以前、あるベテランの先生が「授業で小説のあらすじを説明するのは難しい」とおっしゃっていたのを覚えています。そのときには「そんなもんかなあ…」と思っただけでしたが、いざ自分でも文学関係の授業を担当するようになって、この先生のそんな言葉を時どき…

【小説】この推理小説はフェアかアンフェアか?

とうとう読みました。アガサ・クリスティの『アクロイド殺し』。田村隆一ファンなので古い方のハヤカワ文庫で読んだのですが、ここでは入手しやすい方を紹介します。アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)作者: アガサクリスティー,Agatha Christi…

【小説】近未来は「現実」となったか

生活している場合はもちろん、通勤・通学の途中などで通りがかるだけでも、ここ数日の横浜には何だか物騒な感じを覚えてしまうのではないか。窮屈な、と言っていいかもしれない。横浜がAPECの会場になっているからだ。駅のコイン・ロッカーやごみ箱は使用で…

【美術展】横須賀美術館「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」展

タウン情報新聞を読んでいたら、横須賀美術館で下記のような展示をやっているのを発見しました。美術館のホームページから転載します。「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」展――英国ヴィクトリア朝芸術の精華――(期間は、2010年10月30日(土)〜2010年…

【ブックガイド】京都の本屋さんより届いたブックガイド

みなさんは、どのようにして読む本を選んでいますか? 授業中に紹介された本、レポートを書くのに調べていたら検索で出てきた本、あるいは恋人や友達が教えてくれた本…。パターンはいろいろだと思いますが、結構、便利に使えるのが「ブックガイド」と呼ばれ…

【挿絵】イギリスの動物木版画

先のブログにも書いたが、このところ、ヴィクトリア朝のイギリスについて授業などで話をすることが多くなった。そのための準備として、ディケンズやサッカレーなどの小説の他に、『パンチ(Punch)』や『ロンドン挿絵付新聞(London Illustrated News)』な…

【小説】ヴィクトリア朝の孤児の物語

最近、ある学生さんから、「今、先生の中ではヴィクトリア朝がブームなんですか」と言われました。確かに、授業のテーマは19世紀の小説や社会背景のことばかりだし、春の英文学会でニューマン、秋のフェリスのシンポジウムではサミュエル・バトラーとエドワ…

【シンポジウム】フェリス女学院創立140周年記念英文学科シンポジウムのお知らせ

下記の要領でシンポジウムを開催することになりました。「社会改良」をキーワードに、文学と芸術の分野から19世紀ヴィクトリア時代について話をします。 場所は、港の見える丘公園や外国人墓地などがある、いわゆる古き良き横浜の面影を残す山手キャンパスで…

【雑考】洋書バーゲンフェアに行ってきました

またまた久しぶりの書き込みになります。忘れていたわけではないのですが、尋常ではない忙しさに、風邪をこじらせてしまったりもしていて、なかなか書けないでいました。今回も「雑考」になってしまいます。 昨日、18世紀の英文学関係の研究会で専修大学の神…

【学会参加報告】フォークナー協会大会のシンポジウムに行ってきました

久しぶりの書き込みになります。このところ、妙に忙しくなって、なかなか時間が取れませんでした。 昨日、フォークナー協会の大会のミステリーのシンポジウムに行ってきました。その報告を簡単にしたいと思います。 小池滋先生と佐々木徹先生のお話は、期待…

【入門書】適切な「入門書」とは?

今日、神楽坂の学会事務局の用事を済ませ、また神田神保町に寄って帰りました。しかし、今日は暑かったにも関わらず、これといった本もなく、久しぶりに手ぶらで帰りました。そのときに立ち寄った三省堂の「イギリス文学」のコーナーに下記の本が平積みにさ…

【学会情報】ミステリーのシンポジウムが開かれます。

ようやく涼しくなってきた感じで、腰を据えて本でも読んでみようという気持ちになってきます。そう思うと、後期が始まってしまいました…。そんな読書の秋に読むべき本を教えてもらえそうな学会情報を紹介します。日本ウィリアム・フォークナー協会の第13回全…

【小説】イギリスの「困難な時代」

ディケンズの『困難な時代』を読み終わった。今回、びっくりしたのは、作品の内容というよりも、原書がとても安く買えたこと。読んだのはWordsworth Classics。安いから買ったのだけど、値段は何と260円。円高とはいえ、信じられない安さ…。Hard Times (Word…

【雑考】読みたい本、読むべき本…

最近、反省しているのは読書量がめっきり減ってしまっていること。ここでいう「読書」とは、授業の準備や論文を書くために読むものに加え、純粋な楽しみのために読むものも含んでいる。院生時代、呑気にも「読書ノート」なるものをつけていた。指導教授がこ…

【小説】歴史と現実が交錯する面白さ

とても面白い小説を読み終えたので紹介したいと思います。ロバート・ゴダードの『千尋(ちいろ)の闇』(創元推理文庫)。下記に上巻のみ載せておきます。上下巻で合計800ページあまりの長編小説ですが、その長さが苦痛にはならないほど面白い作品でした。千…

【雑考】横須賀に行ってきました

このところ「雑考」ばかりですみません。夏休み、特に8月はなかなか読書も進まないのです。9月に入れば、何とか…という感じ。 先日、家族で横須賀に出かけました。子ども用の映画を観に行ったのですが、横浜に出るよりも便利なのと、横須賀の街がなかなか好…

【雑考】北九州市(小倉)に行ってきました

学会の来年度の大会の会場校の視察と打ち合わせのために北九州市に行ってきました。北九州市立大学はキャンパスもきれいで、とても素敵な感じの大学でした。5千人以上も学生さんがいることを伺ってびっくりしましたが…。地方大学では大きいですよね。しかし…

【研究会】ジェイン・オースティン研究会(関東)第5回例会のご案内(アップデート版)

先日、お知らせした研究会の案内の最新版です。 新井潤美先生のタイトルがわかりましたので、改めてタイトルを入れたプログラムをご案内します。時間もこれで確定です。 日時: 2010年9月18日(土) 14:00〜 場所: 青山学院大学青山キャンパス 総研3階第1…

【紹介本】イギリス小説 vs. フランス小説の結果はいかに?

その京都への行き帰りの新幹線は2時間くらいなので、集中して本を読むにはちょうどよい感じです。その車中で、早速、タイトルを見て気になってすぐに購入しておいた下記の本を読了しました。英仏文学戦記―もっと愉しむための名作案内作者: 斎藤兆史,野崎歓出…

【雑考】京都の魅力

日本英文学会のシンポジウムの打ち上げを口実に、関西のお二人と飲むために京都に行ってきました。一乗寺の美味しいお店に連れて行ってもらいました。今朝方、京都は台風で雨風がひどかったのですが、帰宅してみると、今度はこちらが同じような状況になって…

【研究会】ジェイン・オースティン研究会(関東)第5回例会のお知らせ

ジェイン・オースティン研究会では、第5回例会を下記の日程で開催する予定にしています。日時: 2010年9月18日(土) 14:00〜(日にちは確定、時間は予定) 場所: 青山学院大学青山キャンパス(会場の詳細は追ってブログにアップします。) 内容: [研究発…

【小説】異文化間理解はあり得るのか?

昨年の後期から春休みにかけて、博士課程の院生のひとりに頼まれて、E.M.フォースターの『天使も踏むを恐れるところ』を一緒に読み直す機会があった。作品を丁寧に読んだため、短い割には時間がかかってしまったが、私にとっても有意義な機会となった。と言…

【漫画】ブームにあやかって…

もともとが貧乏性なのか、ひとつのことだけに集中するのが苦手である。そのため、BGMに音楽を流しながらの「ながら〜」はいつものことだし、トイレには必ず本を持ち込んでは家族に嫌がられている。東京の方へ出かけることがあれば、ついでに(というのを口実…

【小説】日本人が大好きな中編小説

6月に行ったフェリスのフレンドリー・グループの集まりでは、予定通りにジョン・ゴールズワージーの『林檎の木』を読んだ。参加したのは、院生2名と学部生2名。面白かったのは、両者の読後の感想が大きく違っていたところ。学部生は素直に好意的な感想を抱い…

【小説】オーウェルの処女作を読んでみた

大学院時代の同級生を中心に、年に数回、恩師のところに集まってイギリス小説を読むことになった。あまり難しいことは考えずに、みんなが読んでいない作品を中心に、これを機に読んでみましょうという感じの気安い「読書会+飲み会」といったもの。まずは、…

【文化研究】「俺たち」と「あいつら」

前期に「カルチュラル・スタディーズ」という講義を担当した。あらゆる文化現象の背後には、見えない社会の「抑圧」が働いていることを見抜いていける視点が得られるように心を砕いたつもりだったが、やはり専門ではなかったためか、大いに散漫になってしま…

【小説】やっぱりオーウェルはすごい!

今年度に担当している授業のひとつに、「小説を通して英語を学ぶ」というものがあり、散々に迷った挙句、ジョージ・オーウェルの『動物農場』を読むことにしました。新しい翻訳も出ましたし。もちろん、授業では英語で読んでいます。動物農場―おとぎばなし (…