【雑誌】『web英語青年』を紹介します、その1

最近、本屋に行っても読みたいと思える雑誌がないような気がします。立ち読みすらしなくなりました。かつては、『Studio Voice』とか、割と個性的な雑誌もあったように思いますが。雑誌がつまらなくなったのか、あるいは、単に歳をとったせいなのか…。なくなってしまった雑誌が懐かしいかんじです。みなさんはいかがですか?

ここで紹介するのは、研究社が刊行している『web英語青年』です。以下のアドレスで読むことができます。

http://www.kenkyusha.co.jp/modules/03_webeigo/

最新号の目次は次のようになっています。

[海外新潮]認知論的物語論の可能性 川本玲子
[連載]英語文章読本 第23回 白か黒か―レイモンド・ウィリアムズ『田舎と都会』(上) 阿部公彦
[論考]アメリカのプロファイル―文学研究へのアプローチ 第11回 epidemics (2) 新田啓子
[論考]『マルタの鷹』 講義 第12回 諏訪部浩一
[新刊書架]舌津智之著『抒情するアメリカ―モダニズム文学の明滅』

短くはありますが、力の入った論考が並びます。

個人的には、東京大学准教授の阿部公彦氏の「連載」を楽しみに読んでいますが、今回は、興味のあるレイモンド・ウィリアムズについてなので特に面白く読みました。ウィリアムズは、このところ日本でも熱心に研究するグループの活動もあり、トピカルなものなのですが、それとは違った視点から論じられているのが新鮮でした。「レイモンド・ウィリアムズ研究会」については、改めてご紹介する予定です。

阿部氏の文章には妙に難渋なところはなく、気持ちのよい軽やかさがあり、おそらくは若い人にも違和感なく読むことができると思います。阿部氏には、紀伊国屋書店の「書評空間:BookLog」での書評の連載もありますので、興味のある方は読んでみてください。英米文学に限定されず、幅広い本が紹介されていて面白いですよ。
ちなみに、同じブログで、慶応義塾大学准教授の大串尚代氏(アメリカ文学)の書評もあるので、こちらもぜひ。
お二人の書評は以下のホームページで読むことができます。

http://booklog.kinokuniya.co.jp/

こうしたすぐれた書評などを簡単に読んるときこそ、インターネットというツールの便利さ確信します。せっかくなので、娯楽目的だけなく、いろいろな方面でうまくネットを利用しましょう。