【雑考】テレビを観る時間、携帯をいじる時間、本を読む時間…

ここ数日は冷たい雨が続いていますが、きっと、その後には暖かい春の日が始まるような予感がします。
近所の桜の花も少しずつ咲き始めました。この季節になると思いだすのが、サニーデイ・サービスというグループの『東京』というアルバム。ジャケットの桜が見事で、卒業式や入学式を思い出します。このアルバムが出たのとは時代がちょっと違いますが、このジャケットを見ると、自分が初めて上京した頃のことを思い出します。

東京

東京

とってもいいアルバムなので、ジャケットが気に入った人は聴いてみてください。古いですが、「はっぴいえんど」などのフォークロックが好きな人はジャケ買いOKのアルバムだと思います。そう言えば、今日はフェリスの卒業式ですね。

今回は、テレビと読書の時間について考えたことを少々。つぶやきみたいなものなので、リラックスして読んでください。

昨日、雨の中、この4月から初めて授業を受け持つことになった中央大学に行ってきました。そこの知人が案内してくださるというので。まあ、そもそも自分が勤めている大学とは規模が違うので比較にはならないんですが、バンカラ風な感じと(古い言い方ですね)、キャンパス内のスケールの大きさには驚きました。残念ながら図書館には入れませんでしたが、学科図書室や総合研究所の資料室などをのぞくと、その充実ぶりにわくわくします。授業でここの学生の人たちと会うこととともに、図書館などを使えることが楽しみです。

その際、何人かの中央大学英米文学科の先生に紹介され、挨拶させていただいたのですが、みなさん、「遠いところからすみません」とおっしゃります。まあ、自宅からここまで2時間弱はかかりますので。でも、たぶん、この通勤時間は、みなさんが考えているほどの苦痛ではないだろうと想像しています。なぜか?

フェリスに赴任する前、私は地方の私立大学に長く勤務していました。
4年に一度、大学生協というところが「学生生活実態調査」というものを行っているのですが、その頃、たまたま学内の責任ある仕事をやっていたので、その資料を見せてもらったことがあります。これは、大学生協がある全国の大学の学生にアンケートをとったものをまとめたものです。面白かったのが、「テレビを見る平均時間」の項目で、都会の学生が1日に40分程度であったのに、地方の学生は2時間も観ているという結果になっていました。
最初、「地方の学生はべんきょうしとらんのか!」という話になったのですが、少し調べてもらうと、「1日の勉強時間」は45分くらいで(少なっ‼)、都会も地方も変わりがないのです。じゃあ、この差は何かというと、どうやら通学時間が関係しているようでした。つまり、地方の学生さんは、都会の人と比べて浮く通学時間の差の1時間から1時間半くらいをテレビを観ることに費やしているらしいことがわかりました。もちろん、個人差がありますから、あくまでも平均ですが。

私は貧乏性なので、電車に乗るときは、たいてい何か読むものを用意します。本であったり、学生さんのレポートであったり、仕事の書類であったり。手ぶらということはあまりありません。
これでおわかりかと思いますが、通勤の時間が長くなると、本を読む時間が増えるのではないかと期待しているから、長い通勤時間があまり苦にならないのです。もちろん、週1,2回に限定される場合ですが。時間に余裕ができると、その時間を他にできることに費やしてしまい、なかなか読書時間は増えない一方、通勤時間が増えれば他にすることがないので読書量が増えるはず、そういう期待をしています。4月からは、普段時間がなくてあまり読めないでいる現代小説をいろいろと読んでみようと楽しみにしています。

10数年前にこちらで生活していた頃と比べると、最近、電車の中で読み物をしている数が減ったように思います。携帯をいじっている人の多いこと。
みなさんがどのくらいの時間をかけて通学しているかは個人差があるとは思います。でも、その通学時間をどのように使うのか、地方の学生さんの多くはテレビを観ているらしいこの時間を、ただ電車の中で携帯をいじって過ごすのはもったいない感じがしませんか。往復の必要はないので、無理せず、まずは帰りの電車の中で本を読んでみることを習慣づけてみてはいかがでしょうか? 1時間であれば、週5回で5時間、1か月で20時間くらい、文庫本であれば2冊くらいは読めそうです。

2010年度は、私と「電車de読書」で読んだ冊数を競ってみませんか。