【学会情報】日本英文学会関東支部5月例会

年度が明けると、春の学会や研究会のシーズンが始まります。今年度は5月1日(土)の日本英文学会の関東支部の例会でスタートです。

日本英文学会は、日本の大学などで英米文学や言語学などを教えている教員や学んでいる院生の所属する、日本で最大の英文学関係の学会になります。英文学会はそれぞれの支部をもっており、この大会は、その関東支部が開催するもので、例年、春(5月)と秋(11月)の年2回の例会と、『関東英文学研究』という学術誌を発行しています(現在は、支部統合号として、関西支部を除く、すべての地方支部と合同で刊行されています)。

今回のプログラムでは、個人的には、英文学研究と映画についてのシンポジウムと原英一先生のご講演が面白そうだと思います。
シンポジウムは、最近の英文学教育では欠かすことのできない「映画」について。小山太一氏はイアン・マキューアンなどで有名な翻訳家、先のブログでも紹介した新井潤美氏は、ジェイン・オースティンをネタに映画化されたアメリカの『クルーレス』とインドの『花嫁と偏見』について話されるようです。この二作品は、それぞれ、フェリスでは、昨年の「イギリス小説ゼミ」と一昨年の「比較文学・文化研究入門」でとりあげましたので、記憶にある人もいるかも。たまたま読み返そうと思っていたアラン・シリトーについての話が聴けるのも楽しみです。
講演での、ある意味で非常にイギリスらしい小説でもあるサミュエル・リチャードソンの『クラリッサ』について聴けるというのも非常に楽しみです。この作品についても、昨年の「イギリス小説を読むA」で、もっとも長い小説のひとつとしてペンギン版のテキストを紹介した、まさに電話帳のような分厚い作品です。

いずれにしろ、東大に行ってみたい!、映画についての卒論のネタ探しを、耳学問的に教養を深めたい、理由はいろいろですが、なかなか面白い話が聴けそうなので、何とか都合をつけて参加してみませんか? 研究会というのは、そんなに敷居の高いところではありませんよ。

詳細は、学会ホームページで確認してください(http://www.elsj.org/kanto/)。

[日本英文学会関東支部5月例会]
日時: 2010年5月1日(土)13:00〜18:30
会場: 東京大学 駒場キャンパス

☆18号館ホール
①13時〜15時30分 
シンポジウム「英文学者は映画を語れるか―英文学研究と映画というメディア」
司会:末廣幹(専修大学教授) 
講師:小山太一専修大学准教授)、佐藤元状(慶應義塾大学准教授)、新井潤美中央大学教授)
コメンテイター: 草光俊雄(放送大学教授)

②15時45分〜17時15分 
講演:原英一(東京女子大学教授)「Paradoxia Clarissima:『クラリッサ』とイギリス小説の来し方、行く末」
司会:原田範行(東京女子大学教授) 

③17時30分〜18時30分 
研究発表:柿原妙子(東京大学大学院博士課程)「W. B. Yeats, “The Circus Animals’ Desertion” におけるテーマの解放」
司会:伊達直之(青山学院大学教授) 

コラボレーションルーム1
①13時〜15時30分 
【若手大学教員のためのワークショップ 第3回「その素材、どう料理する?−教材徹底討論」】
→日本英文学会関東支部英語教育・学習研究会HP参照(http://www.elsj.org/gakushu/

②17時30分〜18時30分 
研究発表:清水純子(慶應義塾大学非常勤講師)「『パワー・オブ・ブラックネス』――The Emperor Jones」
司会:和光大学准教授 中田崇

☆オープン・スペース
18時30分〜 懇親会 会費500円を当日お払いください。