【研究会】ジェイン・オースティン研究会(関東)第5回例会のお知らせ

ジェイン・オースティン研究会では、第5回例会を下記の日程で開催する予定にしています。

日時: 2010年9月18日(土) 14:00〜(日にちは確定、時間は予定)
場所: 青山学院大学青山キャンパス(会場の詳細は追ってブログにアップします。)
内容: [研究発表] 小泉朝子(早稲田大学非常勤講師)「オースティンと挿絵―ヴィクトリア朝後期を中心に」
    [講  演] 新井潤美中央大学教授)「ジェイン・オースティンについて私が知っているニ、三のこと(仮題)」

新井先生のタイトルは、私が勝手に付けたもので「仮題」としてあります。ご本人に確認が取れ次第、差し替えます。
この研究会は、日本オースティン協会の会員以外の方でも自由に参加できます。また、学術的に過ぎることもないように心がけておりますので、オースティン興味のある方であれば、誰でも楽しめるのはないかと思います。研究会の後には茶話会も予定しています。講師の先生方にいろいろと尋ねてみたいこともあるかと思いますので、ぜひ、ご参加ください。
小泉朝子先生ですが、ヴィクトリア時代の小説や文化のご専門ですが、下記のような翻訳を出されています。挿絵はヴィクトリア時代の小説を考えるうえでは重要な要素のひとつといえます。オースティンの小説の挿絵研究は少なくとも日本ではあまり進んでおらず、ヴィクトリア時代にオースティンがどのように読まれてきたのかを考えるひとつのヒントになりそうです。ちなみに、オースティンの生前には彼女の小説には挿絵は入っておらず、すべて死後に入れられたものになります。そのため、作者であるオースティンは全く関与していません。その点、ヴィクトリア時代ディケンズサッカレーとは大きく違いますね。

デリダと歴史の終わり (ポストモダン・ブックス)

デリダと歴史の終わり (ポストモダン・ブックス)

毛沢東 (ペンギン評伝双書)

毛沢東 (ペンギン評伝双書)

新井潤美先生は、以前にブログでも紹介しましたが、NHKラジオでオースティンの講座をご担当されたり、岩波新書から『自負と偏見のイギリス文化』を出されるなど、オースティンについてイギリス文化から紹介するたくさんの仕事をされています。オースティンの書簡集の翻訳もされています(抄訳)。
ジェイン・オースティンの手紙 (岩波文庫)

ジェイン・オースティンの手紙 (岩波文庫)

他にも、下記のようなイギリス関係の著作があります。新井先生のご研究のキイワードのひとつが「階級」です。イギリスの複雑な階級制度(ジョージ・オーウェルが自分は"lower-upper-middle"と言っていますが、そのイメージがつかめますか?)については部外者である外国人には実感としてまったくわかりません。新井先生はずっとイギリスなどの学校で教育を受けてこられたことから、内側から見たイギリスの「階級」について興味深い事柄を紹介してくれています。かつて、イギリスの学校生活や階級意識を理解するのには、池田潔『自由と規律』(岩波新書)を読むとよいといわれていましたが、さすがに情報が古くなっているので、新井先生のご本がその代わりになると思います。
自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)

自由と規律―イギリスの学校生活 (岩波新書)

新井先生には、上記以外にも、『へそ曲がりの大英帝国』(平凡社新書)などもあり、どれも面白いので読んでみてください。
それでは、みなさん、研究会の会場で会いましょう。