【音楽】親の七光?

クリスマス・イヴです。確か、このブログを書き始めたのが去年のクリスマス時期で、カフェ・アプレミディのCDを聴きながら書いていたのを何となく覚えています。1年になりますが、根気がない性格ながら良く続いたものと自分でも思います。これからの1年、またいろいろと書いていこうと思います。たまにコメントを書き込んでもらえると嬉しいです。
今年のクリスマス・イヴのBGMはFistful of MercyというグループのAs I Call You Down というアルバム。最近は音楽動向を熱心に追いかけるようなこともなくなったので、果たしてこのグループが有名なのかどうかもよくわかりません。2010年に結成されたらしく、メンバーはベン・ハーパー、ジョセフ・アーサー、 ダニ・ハリスンの3人。生憎、アーサーのことはよく知りませんが、ハーパーはロックにブルースやレゲエをミクスチャーさせた感じの面白い音楽をやっていたので、最初の3枚のアルバムは以前によく聴いていたので知っています。下記は一番良く聴いたファースト・アルバム。

Welcome to the Cruel World

Welcome to the Cruel World

ただ、このグループのアルバムをタワーレコード藤沢店で見つけて買ったのは、この二人ではなく、ダニ・ハリスンが参加したグループだとポップに書いてあったから。そう、あのジョージ・ハリスンの息子ですね。
イギリスのロックは好きでいろいろと聴いてきましたが、オアシスやブラー以降は今ひとつな感じがしたのと、ジャズやクラシックの中でも音数の少ないものが心地よくなってきたせいか、最近のいわゆる打ち込みのリズムのポップスはうるさくてダメになりました(例えば、マイケル・ジャクソンOff the Wall あたりまでは聴いていたのですが、80年代以降のダンス音楽になってからは×)。そんなこともあって、私の中では80年代以降のロックやポップスは「ダメ」なんですよね。MTVが音楽を殺したと思っています。だから、今でもよく聴いているのはビートルズとかキンクスをはじめとする古めのもの。特に前者はほとんど毎日飽きることもなく聴いています。
ビートルズと言えば、やはりレノン/マッカートニーのコンビの二人でしょう。とても美しいメロディーを作るとは思うのですが、僕は昔からポールは生理的にダメで、圧倒的にジョン派でした。特に、洋楽に目覚めて熱心に聴き始めた高校1年生のとき、遅まきながらDouble Fantasy からジョンの歌を熱心に聴き始めた矢先、例の事件が起こってしまったこともあり、より一層、深くのめり込んだようなところがあります。"(Just Like) Starting Over"を聴くと、今でもあの頃のことを強く思い出します。以後、さかのぼるように彼のアルバムを聴いていったのですが、社会派のものよりも、"Love"とか"Oh! Yoko"などの非常に個人的な歌の方に惹かれています。
ところが、いつ頃からは忘れましたが、ジョージ・ハリスンに強く惹かれるようになっていきました。今では、ジョンのアルバムよりも、「静かなるビートルズ」と呼ばれたジョージのソロアルバムの方をよく聴きます。最近、リマスターされたジョンのソロ・アルバムを買い直したので、聴くことも多いのですが、どうも自己主張の強さに「う〜む」と感じることも多々ある感じ。年をとったせいでしょうか…。
それに比べ、ジョンとポールという圧倒的な才能を横目で見ながら、同時にその「仲間」としてやっていくためには、リンゴのように開き直って古き良きポップスを追求するか、あるいはジョージのようにインド音楽などに心酔して内省の方向に進むのかのどちらかしかないようにも思います。その点、同様の経験がありますので、僕にはこの二人の気持ちがよくわかります。中でも、ある意味ではじけることのできたリンゴよりも(これを読んでくれている人で、「リンゴ、すったー!」のCMを知っている人はどのくらいいるでしょうか?)、ジョージの内向きさの方が僕には親しみを感じさせます。
実は、すでにビートルズ時代からジョージも素晴らしい曲を作っています。"Something"とか"While My Guitar Gently Weeps"とか。ただ、僕が一番大好きなのは、ソロアルバムのLiving in the Material World に収録されている"Give Me Love"。下記に歌詞の特に好きな部分を引きます。
Give me love/ Give me love/ Give me peace on earth/ Give me light/ Give me life/ Keep me free from birth/ Give me hope/ Help me cope, with this heavy load/ Trying to, touch and reach you with, heart and soul/ Oh, My Lord . . ./ Please take hold of my hand, that I might understand you/ Won't you please/ Oh won't you
特に最近、この歌詞の気持ちがよくわかるようになってきた感じがして、何だかまいった気分になったときには、この曲を繰り返し聴いたりもしています。
そのジョンの息子ダ二がミュージシャンとして参加したというこのアルバム。一聴したところ、ハーパーの雰囲気も強いのですが、グループ名を含め、何だかジョージのアルバムに近い肌触りを感じます。
As I Call You Down

As I Call You Down

ジョンの二人の息子がどちらかというと父親の存在感に圧倒されっぱなしになっているのに対し、ダニはどうなんでしょうか。個人的には彼の今後に期待しながらこのアルバムを聴いています。