【雑考】こんなときだからこそ…

東北地方太平洋沖地震から9日目が過ぎようとしています。テレビや新聞の報道を通して知る現実に心は痛むばかりです。亡くなった方々、その家族の方々、そして震災に遭われた方々のことを思うと、本当に言葉がなくなります。
震災後、鎌倉の街からも人や車の姿が消えました。毎年、この時期には平日も観光客でいっぱいになり、車の渋滞もひどくなっていきます。おそらく、電車の運行が不安定なのとガソリン不足が直接の理由なのかもしれませんが、もっと大きいのは、そういう気分になれないという心理的な理由が大きいのではないかと思います。実際、季節を問わず、朝夕には犬の散歩やウォーキングをする地元の人も多いはずなのですが、このところ、すれ違う人の数もめっきり減っているように思います。学校の校庭や公民館のグランドにも子供たちの姿はありません。お店も早めに閉まり、街全体がひっそりとしています。
私自身、落ち着かず、何も手につかない気分が続いています。ただ、月並みな言い方ですが、こんなときだからこそ、それができる者たちは「普通の生活」を送ることが大切なのではないかと思うようになりました。朝起きて、食事をして、勉強をして、仕事をして、遊んで、散歩をして…。そういう生活を送ることができない人たちのことは常に考えながらも、そういう生活を送ることができる者たちはあえて普段通りの生活を送ること。それが大事なのではないかと。こういう状況だと買いだめしたくなるのが人間の心理ですが、あえて普通どおりのものしか買わない。外に出るのは不安だけど、少しずつ出かけるようにする。そのことを積み重ねることによって「日常」を取り戻せるような気がします。
だから、こんなときだからこそ、私は本を読もうと思います。こんなときだからこそ、小説を読もうと思います。それが私の「日常」の大きな部分を占めているのだから。なかなか集中できませんが、そう言い聞かせながら、本棚の前や机の横に積んである本の中から読みたいものを選び始めました。そして順番に読んでいこうと思います。読み終わったら、ブログにもどんどん書き込んでいきます。読んだ本について何か書くことが私の「日常」だから、こんなときだからこそ、何か書こうと思います。
ただ、今はここで止めておきます。無理はしたくないので。