【ガイドブック】イギリスを楽しむために

まみつんさん、書き込みをありがとうございました。1年間の交換留学ですか…。楽しみですね。どこでもそうだと思いますが、やっぱり、1年間のひとわまりをしないと、その国のことはなかなかわからないですよね。寒くて長い冬のあと、突然に咲き始める黄水仙に感動してください。ちなみにイギリスのどこに行かれるのでしょうか。
土曜日に出発ということなので、もう間に合わないかもしれませんが、イギリスでの滞在を楽しむための秘訣をひとつ。とにかく、日本では見ることのできないものを見るようにするといいと思います。
まず、カントリー・ハウス。広大な敷地の中に優雅にそびえ立つお屋敷のたたずまいは、実際に訪れてみないとわからないと思います。『高慢と偏見』で、エリザベスが初めてダーシーのお屋敷を見て、「こんなお屋敷の女主人になるのも悪くない」とふと漏らしますが、この言葉も、チャッツワース(ペンバリーのモデルとされています)のお屋敷を遠くから眺めると、なるほどなあ、と初めて実感できます。ただ、忘れてならないのは、こうした優雅な生活が、国内や植民地の多くの貧しい人たちからの搾取によって成り立っていたこと。それを踏まえてお屋敷見学をすると、いろいろと考えることが見つかると思います。カントリー・ハウス訪問に役立つのが下記のガイドブック。

Blue Guide Country Houses of England (Blue Guides)

Blue Guide Country Houses of England (Blue Guides)

それから、各カントリー・ハウスでパンフレットを売っているので、買い揃えておくといいですよ。たくさんの数を見ていくうちに、時代ごと、地域ごと、そして持ち主の階級ごとの微妙な違いもわかるようになってきます。
経済的にまわるためには、The National TrustとThe English Heritageはもちろん、Historic Houses Associationの会員になっておくといいですよ。年会費を払えば、後は無料で関連施設を見ることができます。
次に、ぜひ、試すといいのが、クロテッド・クリーム。スコーンにジャムと一緒につけて食べるのですが、これが日本で食べるものとはまったく違って、濃厚で美味。各地方に、お勧めのティールームを紹介するガイドブックが出ているので、それを買うといいかも。
買い物でお勧めのお店は、OxfamとPast Timesというお店。Oxfam(http://www.oxfam.org/)は慈善団体で、チャリティをするという意義もあるのですが、何でも安く買うことができるという点でもお勧めです。私も在外研究中にはよく行きました。Past Times(http://www.pasttimes.com/)は、各時代の特徴的なもののレプリカを売っているお土産屋さんで、私は18〜19世紀の小物についてはここで多くを学びました。値段も手ごろだし。この二つとも、どこの街にもありますが、地域ごとに品揃えが違っていたりもして、こまめにチェックするといいですよ。
それから、作家や作品にこだわるなど、テーマを決めて旅行するのもいいですね。私も、オースティンにゆかりのある場所は、ハンプシャーはもちろん、ケントにある彼女の兄のカントリーハウスなどもくまなく訪問しました。ダービシャーにも行きました。そのときに参考にしたのが下記の本。マニアックな情報がたくさん載っています。
In the Steps of Jane Austen

In the Steps of Jane Austen

同じシリーズでブロンテ姉妹もあります。これとは違いますが、ロンドンをまわるときには、チャールズ・ディケンズヴァージニア・ウルフ。ウルフについては下記の本が参考になります。
Virginia Woolf's London

Virginia Woolf's London

旅行のガイドブックとしては、「地球の歩き方」もいいんですが、やっぱりお勧めはロンリー・プラネッツのガイドブック。
Lonely Planet England

Lonely Planet England

割とローカルな情報が載っているので、日本語のガイドブックでは入手できない情報があったりもします。でも、泊まったB&Bの人に尋ねるのが一番。イギリスの料理はまずいと言われてますが、時どき、抜群に美味しい料理を出してくれるパブなどを紹介してくれることもあります。
留学を充実させよう、と頑張るのもいいですが、ときには肩の力をふっと抜いて、パブリック・フットパスをだらだらと散歩するといいですよ。散歩する場所には事欠きません。そんなときには、下の本。週末のアンティーク・フェアの情報を調べて村を歩くというのもいいですね。
Time Out Country Walks Vol 1 (Time Out Guides)

Time Out Country Walks Vol 1 (Time Out Guides)

オースティンの作品の散歩のシーンに出てくる、「stile」とは何? という疑問が氷解すると思います。そのバリエーションの豊富さにも驚かされます。
バースに行くことがあったら、ブック・ミュージアムという穴場があります。ここの地下は古書店になっているんですが、その階段を下りる手前にオースティンの『マンスフィールド・パーク』の初版本が展示してあります。あまりガイドブックにも載ってないんですが。それから、大英博物館に行くと、オースティンをはじめ、有名作家の直筆原稿が展示してあります。普段は活字でしか読まないだけに、原稿を見ていると、本当に生きていたんだ、とその作家がリアルに感じられます。
いろいろ書きましたが、この1年間、楽しみですね。思い出に残るものになるように祈っています。忙しいと思いますが、時どきはこのブログも思い出して読んでください。向こうでの様子も書き込んでもらえるとうれしいです。がんばりながら、楽しんできてください。