【追加情報】サックヴィル=ウェスト家のお屋敷

まみつんさん、レスター大学に留学ですか。知ってますよ。現代文学の研究で有名ですよね。私の知人二人も在外研究で行かれていました。実りある留学になりますように。(←そういえば、レスター大学には、有名なヴィクトリア朝文化研究センターがありました。迂闊にも失念していました。)
卒論は『オーランドー』ですか。ヴァージニア・ウルフの作品は苦手で、そのことを言いふらし過ぎたせいか、みんなから「嫌っている」と思われているようですが、実はそんなことはなくて、むしろ人間的には好きな作家です。中でも、『オーランドー』は面白いですよね。昨年の二カ所の非常勤先の授業で映画のシナリオを中心に読みました。
『オーランドー』であれば、滞英中に、やはり下記の二カ所に行くといいですね。二つともケントにあるのでレスターからは遠いですが。もうすでに知っているかと思いますが、念のため。
ひとつは、ウルフの恋人(?)であるヴィタ・サックヴィル=ウェストの一族のノールというお屋敷。
http://www.nationaltrust.org.uk/main/w-vh/w-visits/w-findaplace/w-knole/
ここを女性であるヴィタが引き継ぐことができなかったことが、『オーランドー』執筆の動機になったともいわれているようです。ここは、私も行ったことがありますが、広大な感じでよく覚えています。ヴィタ自身が書いたノールの本があります。

Knole and the Sackvilles

Knole and the Sackvilles

それから、こんな本も出ています。
Inheritance: The Story of Knole and the Sackvilles

Inheritance: The Story of Knole and the Sackvilles

そのヴィタは庭づくりでも有名なのですが、彼女の好みがシシングハースト
という庭園に成果として現れています。http://www.nationaltrust.org.uk/main/w-vh/w-visits/w-findaplace/w-sissinghurst-castle/
彼女は何冊か庭園や花についての本も書いています。例えば、下記のような本。
Some Flowers

Some Flowers

もちろん、あまり伝記的なことにとらわれすぎてしまうのはよくないのですが、こと『オーランドー』については、ヴィタのことは考えなくてはいけないでしょうね。この作品と結びつけなくとも、この名家の女性は非常に興味深い人物でもあります。下の伝記でその魅力を実感しましょう。
ある結婚の肖像―ヴィタ・サックヴィル・ウェストの告白 (20世紀メモリアル)

ある結婚の肖像―ヴィタ・サックヴィル・ウェストの告白 (20世紀メモリアル)