【雑誌】本の特集「2012年、世の中が変わるときに読む263冊」

12月は「師走」といいますが、文字通り、怒涛の半月を過ごしました。日本ジョージ・エリオット協会の全国大会の開催、入試関係の仕事、そして卒論の指導…。ブログを書く暇というか、その存在すらすっかり忘れてしまう感じの忙しさ。ようやく、一段落が着いたところです。
今年の卒論ですが、無事に9本が出揃いました。テーマは以下の通り。①「イギリス文学・芸術における『無関心』(オースティン、ワイルド、K・マンスフィールド、絵画)」、②「ジョージ・オーウェル論(『動物農場』と『1984年』)」、③「オノ・ヨーコに見る欧米の日本人像」、④「イギリスにおける『結婚』の制度と表象」、⑤「イギリスの階級とファッション」、⑥「原罪意識と自己犠牲の精神比較(『ジェイン・エア』と『塩狩峠』)」、⑦「英米への意識をめぐる日韓比較(英語教育を中心に)」、⑧「『マンスフィールド・パーク』論(英文)」、⑨「イギリスのファンタジーにおける性役割(『ハリー・ポッター』、『ナルニア』、『ライラ』)」。
こうしてみると、イギリス小説関係が5つ、その他はイギリス文化関連になっていますが、「イギリスの社会・文化について斜めから見る」というゼミの隠しテーマはしっかり守られているように思います。また、英文の論文も出ましたし、全体的によかったのではなかったと思っています(これから改めて読み直すと印象も変わるかもしれませんが…)。また、なかなか書き出すことができない人もいましたが、苦しみながらも、「ひとつのことを調べて考えること、そして何かを発見して、それを文章にすることの意外な面白さに初めて気づいた」と嬉しいことを言ってくれる人もいて、こちらも頑張らせてよかったと改めて感じ入っています(もっと早くに気づいて欲しかった気もしますが…)。提出期限間際にはほとんど合宿状態になってしまった人もいましたが、とにかく、まずは全員が提出できてよかったとホッとしてます。次は、年明けに2本の修論が出てくることになっているので、今度はそちらの心配になります。あと、大学院の雑誌の論文も。
そんなわけで、この半月はほとんど本を読む余裕もなかったのですが、さらに後期の授業のひとつで扱っているヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』の準備に思いのほか時間がかかってしまっていて、なかなか進まない卒論の心配と『ダロウェイ』のことばかり考えていました。さすがに頭が飽和状態になってしまっていて、なんか気分転換に読むものはないかと、出かけたついでに最寄り駅前の書店に入ったら、雑誌『ブルータス』が年末の本の特集「2012年、世の中が変わるときに読む263冊」をやっているのを発見。

BRUTUS (ブルータス) 2012年 1/15号 [雑誌]

BRUTUS (ブルータス) 2012年 1/15号 [雑誌]

寝っ転がってペラペラと眺めてみようと思い、トム・ロブ・スミスの『エージェント6』とともに購入。スミスの本にはちょっとしたドラマチックな購入きっかけがあったので(と勝手に妄想をふくらませているだけですが)、また読み終わったときに紹介します。