【文化】「映画で楽しむ〜」
Tくん、わかりますよ。書き込みをありがとう。学会の方はどうでしたか? ピューリタニズム学会は、エネルギッシュな先生方も多く、かなりレベルの高い研究を行っていると聞いています。また感想などを知らせてください。私も、最近、バニヤンをきちんと読み直そうと思っています。イギリスの小説を考える際、やっぱり重要な存在だと改めてわかってきました。
先日、友人のひとりが執筆に加わっている本書を送ってくれました。
- 作者: 吉田徹夫,高瀬文広,村里好俊
- 出版社/メーカー: 金星堂
- 発売日: 2010/05
- メディア: 単行本
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ただ、「また映画か…」と思ってしまったのも事実です。最近、『映画で楽しむ〜』とか『映画で学ぶ〜』といった本がたくさん出されているような気がして、ちょっと調べてみました。アマゾンで検索してみても、ほかに下記の3冊をはじめ、かなりの数が出てきました。
- 作者: 板倉厳一郎,スーザン・K・バートン,小野原教子
- 出版社/メーカー: 松柏社
- 発売日: 2008/06/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 吉田徹夫,村里好俊,八尋春海
- 出版社/メーカー: 金星堂
- 発売日: 1999/05
- メディア: 単行本
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- 作者: 森祐希子
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1996/05
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ほかに、文学部英文学科が改組して、英米文化学科、国際文化学科、国際教養学科などに変わったこともあり、文学作品を教材に使いにくくなったという事情が垣間見れます。それだけではなく、英文学科でも、英文学を教えていくのに際して、映画は欠かせない教材になっているのも事実です。私自身、まずは映画を使ってイギリス小説に興味を持ってもらうようにしています。今年は、オースティンの『待ち焦がれて』(小説タイトルは『説得』)やシャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』という定番のほか、ディケンズの『オリヴァー・トゥイスト』なども使っています。もちろん、原作を、しかも英語で読んで欲しい、という思いはあります。ただ、自分が学部生だった頃を考えると、そうそう読めるものではなかったので、まずは導入と割り切って使うようにしています。
映画の中には、『恋に落ちたシェイクスピア』のようにすぐれた作品もありますが、前に紹介した『秘められた恋』のように、気をつけながら観るべき作品もあります。それを見極めていくには、上記のような本は多くの情報を提供してくれるでしょう。
ただ、映画を観てしまうと、それで作品をすべてわかったかのような気分になってしまうという問題があります。実際、数多く提出されるレポートの中には、映画だけを観てレポートを書いてあるものがあります。そういうものは、教員はすぐにわかりますからね。原作を読むことを求められた場合には、必ず読むようにしましょう。
ジェイン・オースティンは映画化によって一般の認知度が上がった象徴的な存在です。ただ、同時に、オースティンの小説の読者人口が増えたのかというと、どうもそうでもないらしい。多くの人が、映画で止まってしまっているようです。BBCドラマ『高慢と偏見』の見事なパロディである『ブリジッド・ジョーンズの日記』という小説と映画がありますが、その中の登場人物のひとりが確か次のように言っています。「原作を読んでいない人にはオースティンの映画を見せないような法律を作りましょう。」
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2004/01/28
- メディア: DVD
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