2011-01-01から1年間の記事一覧
以前のブログでジョージ・オーウェルの『牧師の娘』をレポートしたことを書いたが、D. H. ロレンスにも「牧師の娘たち」という似たタイトルの短編があるので、それも合わせて読んでみることにした。原題は、オーウェルの方がA Clergyman's Daughterで、ロレ…
まみつんさん、コメントをありがとうございます。励みになります。『私を離さないで』も読み終わったら、また感想などを聞かせてください。フィードバックがあると素直にうれしいです。まだまだ面白い小説はたくさんあります。これからも面白い本を紹介して…
ようやく暖かくなってきたせいか、鎌倉にも桜が咲き、観光客や車の数も増えてきたようだ。街に人が戻ってきた感じがする。ただ、日が暮れると、以前よりも通りが暗い。節電のため、店のネオンだけでなく、多くの街灯が消されているからだ。福島の原子力発電…
東日本大震災の影響で、首都圏の大学では学事歴の変更が相次いでいるようだ。フェリスも4月いっぱいは60分に短縮して授業を行うことになったし、非常勤@戸塚でも授業の開始がゴールデンウィーク明けになったという連絡があった。被災地出身の学生のことを考…
毎朝、新聞を見るのがつらい。被災で亡くなった数が1万人を超えてしまった。そのひとりひとりには、震災がなければ続いたであろう人生があったことを考えると、本当につらくなる。 そんな中、「アンパンマン」の主題歌「アンパンマンのマーチ」がラジオでは…
久しぶりに衝撃的な作品を読んだ気分。頭をガーンとぶたれたような衝撃ではなくて、じわじわと頭の中を侵食されていくような静かな衝撃。カズオ・イシグロの小説は、第3作目の『日の名残り』まではリアルタイムで翻訳が出る前に読んでいたものの、そのあたり…
東北地方太平洋沖地震から9日目が過ぎようとしています。テレビや新聞の報道を通して知る現実に心は痛むばかりです。亡くなった方々、その家族の方々、そして震災に遭われた方々のことを思うと、本当に言葉がなくなります。 震災後、鎌倉の街からも人や車の…
諸々の仕事に追われ、すっかりご無沙汰していました。とりあえず、一息をつける気分になれたのでブログに向かっているのですが、次のことを考えるとおちおちしていられません。きちんと計画立ててやっていかないとダメですね。いつもそう思うのですが、なか…
昔から音楽は好きで、タワー・レコードの宣伝コピー「No Music, No Life」そのものの生活を送ってきていて、ポップス、ロック、ジャス、クラシックなど、演歌を除くあらゆるジャンルのものを楽しんでいる。と言うか、「ながら族」なので、音楽を流しながら仕…
最近、思うところが少しあって、アメリカの小説に関する本をいくつか買って読んでいる。それで何んとなくわかってきたのは、現在は、「イギリス」と「アメリカ」に便宜的に分けることが多いものの、そんなにうまくは仕分けすることができないのでは…というこ…
チャールズ・ディケンズの『オリヴァー・トウィスト』という作品の基本構造が「対照」であることは、ほんの少し注意深く作品を読んでいるとすぐにわかる。簡単にいえば「善と悪」が対照されていて、大枠では「〈善〉の世界と〈悪〉の世界」の対比になってい…
新年を迎えたと思ったら、あっという間に1月も終わってしまいました。時間が経つのは本当に早いもの。 先週、木曜日に卒論を書き終えた4年生が謝恩会を開いてくれました。いろいろとあった学年だけど(ゼミ生の「多様性」については抜群の学年でした)、こう…
今年度の授業ではディケンズの『オリヴァー・トゥイスト』をよく取り上げたことや、ユーリカ・プレスから出た復刻「子どもの文化史」の日本語解説を書いたこともあって、「子ども」は今年度の私の個人的なテーマでもあった。ただ、この「子ども」というのは…
今日の『朝日新聞』の読書コーナーに、以前でブログで紹介した京都の恵文社一乗寺店という本屋さんの店長の記事が載っていました。これまでにも色々なメディアで取り上げられているので、別に改めて驚くこともないのですが、大手の新聞に笑顔の店長の写真が…
新人物往来社という出版社から、なかなか興味深い小説にシリーズが刊行されている。「20世紀イギリス小説 個性派セレクション」と題されたこのシリーズ、すでに5冊中の1〜3冊目が刊行され、かの柴田元幸先生も「このシリーズ、絶対いいと思います!」と帯に…
年末、指導教授のお宅でオーウェルの読書会があった。今回は、小説としては『ビルマの日々』に続く第2作目の『牧師の娘』。私がレポーター。Modern Classics Clergymans Daughter (Penguin Modern Classics)作者: George Orwell出版社/メーカー: Penguin Cla…
あけましておめでとうございます。年が明けました。2011年です。今日の授業で、ウィリアム・モリスの『ユートピアだより』の話をした際、当然のようにエドワード・べラミーの『顧みれば』にも触れました。モリスのこの作品も、べラミーのものも、二つとも21…